【医学生必見】病院見学で絶対聞くべき質問9選

医学生生活のコツ
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医学生プランナーあらいぐま

元ブライダルプランナー、結婚相談所職員として多くの方々の恋愛・結婚をお手伝いしてきました。
その後医療業界に進出。現在は医学生をしながら恋愛・結婚に悩める方のお手伝いをしております。
医学生に役立つ知識や恋愛・結婚について発信しております。

こんにちは。近年は医学生が初期研修を受ける病院を選べる時代になりました。自由度が増す一方で、研修病院数も1,000を超え、何を基準に選べばいいかわからない人も多いのではないでしょうか。

今回は医学生時代に20以上の病院見学を行った筆者が厳選した、病院見学の際に絶対聞くべき質問9選をご紹介します。

これを聞けば普通の見学では知ることのできない病院の内情まで垣間見ることができ、なおかつ研修担当の先生からも高評価間違いなしです!!

見学当日はこの9項目をメモして臨んでください。

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救急の体制(日勤帯と当直帯)

救急業務は研修医の役割が大きいので必ず聞いておきましょう。

「救急で研修医がファーストタッチできますか?」と聞く人が多いですが、2次救急までであれば研修医にファーストタッチをさせてくれる病院がほとんどです。

それよりも気にしておくべきなのは救急の人員体制についてです。

例えば、

「うちの病院は救急専門医が常勤でいるから安心だよ」

と宣伝されていても、3次救急でない限りそれは日勤帯だけのことが多いです。

多くの2次救急病院では、当直帯では各科の専攻医クラスの医師が、内科・外科と別れて病棟・救急車・ウォークイン全てを診ることが多いです。

そうなると研修医が救急車を診ていて、上級医を呼びたくても病棟業務が忙しくて中々対応してくれないこともあります。

また、上級医によっては自分の専門以外の主訴で来た患者さんは断るという医師もいます。

ですので当直帯の救急人員体制と、上級医が研修医の面倒を見てくれるような体制が整っているかどうかを聞くべきです。

1点注意事項は、

「研修医は帰す・帰さないの判断をしてはならない」

という決まりにしている病院が多いのですが、これを聞いて安心してはいけません。

病院としてそのような決まりがあったとしても、上級医によっては研修医任せの医師もいるということです。

私が見学した病院の中には、

「当直帯は非常勤の先生にお願いしているけど、研修医の面倒を見てくれない医師はすぐに契約を解除する」

と救急部長の先生がおっしゃっていました。パンフレットや大規模説明会の内容を鵜呑みにせず、救急科の先生や研修医の生の声を聞いてみましょう。

当直について

ここで聞くべきなのは

『一晩で何人診れるのか』

『ひと月に何回当直に入るのか』

『当直明けの勤務』

の3つです。一つずつ説明します。

『一晩で何人診れるのか』

この質問をすると、大体は

「日によって違うからなんとも言えない」

という回答が返ってきます。そんな時は、カルテでここ数日の当直帯の来院リストを見せてもらってください。

これを見れば一晩での来院人数、来院手段(ウォークインor救急車)、主訴、転機などが分かります。

ここで合わせてどんな主訴で来院する人が多いのかもチェックしておきましょう。Common disease がしっかり来院しているかが大事です。

来院数が多くてもほとんどが酔っ払いでは良い修練にはなりません。

『ひと月に何回当直に入るのか』

病院ごとにDutyで入らなければいけない回数が決まっています。当直にたくさん入りたい場合は上限数も聞いておきましょう。特に働き方改革で当直回数を制限している病院もあるので最新の情報を聞いておきましょう。

病院によっては研修医同士で当直を割り振って良いというところもあるので、そのあたりまで聞いておくと、働いてから当直で不憫な思いをすることも減ると思います。

『当直明けの勤務』

働き方改革により多くの病院で午前で帰れると思います。ただ、次項目でも話しますが、研修医が主治医のような形で患者さんを持っていると夕方まで帰れないこともあります。

当直について、もう1点聞いておくべきなのは『地域性』です。地域によっては輪番制を敷いており、週に1回しか登板日が回ってこない病院もあります。その場合、毎日救急車を受け入れている病院と比較してどうしても救急車を診れる台数が少なくなってしまいます。ご自身の希望する働き方と合わせて考えてみてください。(輪番制は人手不足の地方の病院に多い傾向があります)

研修医の立ち位置

研修医の立ち位置がすなわち、その病院のハイパー・ハイポを決定します。

ハイパー病院は研修医を一戦力として位置付けており、研修医がいないと病棟や救急が回らないこともあります。その分仕事量や責任感も大きいですが、やりがいや裁量権、手技の回数なども多くなります。

一方でハイポ病院は研修医がいなくても回るようにできています。そのため極端な話、研修医は1日中研修医室に籠っていてもなんの問題もないということになります。QOLが高くプライベート等も充実させることが可能ですが、指導熱心な上級医がいない場合、気づいたら全ての業務が終わっていることもあります。

病棟業務の裁量権

救急のファーストタッチ同様、病棟業務の裁量権についても聞くべきです。

裁量権が高いと、入院患者の指示簿を考えたり、急変時は真っ先に研修医が呼ばれます。その分忙しくなりますが、救急で自分が入院させた患者さんを退院まで診ることができたりします。

裁量権が低いと、上級医を通じて患者さんの情報が伝えられる形になることが多いです。常に上級医からのフォローが入るので安心感があります。ただ、自分から積極的にコミュニケーションを取らないと、いつの間にか手技が終わっていたということになりかねません。

研修ローテーション

ここで1番大切なのは、志望している診療科を1年目で回れるかどうかです。

内科・外科といったメジャー科を志望している場合は問題ないでしょう。しかしマイナー科を志望している方は、その科を2年目で回って「やっぱり違う」となった場合が難しいです。

というのも、多くの研修医が2年目の夏〜秋までに3年目以降の病院を決めます。診療科は1年目である程度決めて、2年目の春から病院見学をすることになります。1年目で希望の診療科を回って、実際に自分に合っているかを確かめることができる方が良いでしょう。

ただ、1年目は全て必修科目という病院も多いので、せめて2年目の最初で希望の診療科を回ることができるかチェックしましょう。

勉強会の頻度と内容

結論から言うと、週1〜2回がベストです。そしてそれが2年間を通じてあることです。

勉強会が毎日あると、日々の業務に支障が出ます。かといって勉強会が全くないと、それは教育に力を入れていない病院ということです。

勉強会はあるけど、実は最初の3ヶ月だけでしたということもあるので注意しましょう。

内容は指導医からの座学講義や手技などのレクチャー、研修医による症例発表など様々です。

おすすめは様々な内容の勉強会が満遍なくあることです。研修医のうちはインプットとアウトプット、両方をレベルアップできる環境が良いでしょう。

座学やレクチャーも大事ですが、それを実践できる場があるかどうかも聞いておきましょう。

3年目以降の進路

どの診療科に進む研修医が多いのか、どこの病院に就職しているのかを聞きましょう。

もし自分の希望と同じ診療科に進んでいる研修医がいれば、その勤務先にはコネクションがあるわけですから進みやすいです。

もし3年目以降の進路まで考えられないという方は、色々な病院に満遍なく就職している病院が良いと思います。

次でも述べますが、特定の医局の力が強いと、その医局に入局する場合は良いですが、違う場合は3年目以降の就活が大変になるかもしれません。(医局の圧力ということではなく、情報が乏しいため難しいということです。)

関連医局

自分の希望する診療科の関連医局は聞いておきましょう。

先ほども述べましたが、その医局は医師を派遣しているなどコネクションが構築されているので、3年目以降の就活がしやすくなります。

また、関連医局がない場合、医師の流動性についても聞くべきです。

関連医局があれば、医師が定期的に入れ替わるので色々な医師と関わることができ視野が広がります。

一方で関連医局がなく、何十年と勤務している先生のみという場合、治療方針がガラパゴス化している可能性があります。

関連医局がなく医師の流動性が多い場合は、それがなぜなのかも聞いておきましょう。労働環境が悪いために医師がどんどん辞めていくといったマイナスの理由が隠れているかもしれません。

優秀な医師を引き抜いているといったプラスの理由であれば良い病院です。

検索ツールの契約

医学生であれば、学校の図書館などで「今日の臨床サポート」「up to date」などを無料で閲覧できると思います。

病院でも契約していてスタッフは無料で閲覧できることもあるので、どのツールを契約しているのかを聞いておきましょう。

まとめ

本日お話した9項目をメモして病院見学に臨みましょう!

・救急の体制(日勤帯と当直帯)

・当直について

・研修医の立ち位置

・病棟業務の裁量権

・研修ローテーション

・勉強会の頻度と内容

・3年目以降の進路

・関連医局

・検索ツールの契約

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